注目の論文

【古生物学】「生きた化石」はもっと昔から存在していた

Nature Communications

2012年4月11日

Palaeontology: ‘Living fossil’ originated earlier than thought

肉鰭類の魚類であるシーラカンスの最古の頭骨化石として知られる化石がデボン紀初期に由来することを明らかにした論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。シーラカンスは、約3億8千万年前に登場して以来、ほとんど変化していないため、「生きた化石」と呼ばれることが多い。この新知見によって、解剖学的な意味での現生シーラカンスの年代の幅が約1700万年も広がった。

シーラカンスは、かつて絶滅種と考えられていたが、1938年になって、その現生種がマダガスカル沖で初めて発見された。今回、M Zhuたちは、雲南(中国)で発見されたEuporosteus yunnanensis sp. nov.の化石標本を研究した。この化石の頭骨は、解剖学的な意味での現生種のもので、したがって、今回の研究は、初期の多様化ののち、4億年前頃からシーラカンスのボディープラン(体制)が変わっていないことを示唆している。この4億年という期間は、これまで考えられていたよりも長い。

doi: 10.1038/ncomms1764

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度