注目の論文
ヒトの卵巣幹細胞
Nature Medicine
2012年2月27日
Human ovarian stem cells
生殖年齢にある若い女性には卵巣幹細胞が存在し、これは卵母細胞になる能力をもつことが明らかになった。この発見は、病気や自然な加齢によって生殖能力に制限のある女性に、希望をもたらすかもしれない。 この60年間、女性は出生時に、生涯にわたってもつことになる卵母細胞をすべてもって生まれると信じられてきた。したがって、女性が卵の喪失や卵の老化によって不妊となった場合には、選べる治療法は限られていると思われていた。しかし、これまでの研究で、雌のマウスは成獣になってから新しい卵母細胞を作る能力をもつことが判明した。ただ、ヒトにも同様な幹細胞が存在するという証拠がないため、論争が続いていた。 Jonathan Tillyたちは、生殖年齢の女性にマウスと同様な卵原幹細胞(OSC)が存在することを明らかにした。Tillyたちは、マウスとヒトのOSCから生体内で卵母細胞が生じることを発見し、このマウスOSC由来の卵母細胞から体外受精によって胚が生じることも明らかにした。 倫理的、法的理由から、単離したヒトOSCから生じた卵母細胞については、同様な実験は行えなかったが、Tillyたちは、今回の結果が、ヒトの女性不妊の治療に新たな道を開くのに必要な、最初の一歩であると考えている。
doi: 10.1038/nm.2669
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