注目の論文
キュウリのゲノム塩基配列解読
Nature Genetics
2009年11月2日
Cucumber genome sequenced
経済的に重要なキュウリのゲノム塩基配列が解読されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
キュウリは、ウリ科キュウリ属の植物で、ウリ科の植物としては、このほかにメロン、スイカ、カボチャなどがある。ウリ科作物全体の作付面積は、900万ヘクタールで、その果実、野菜、種子の収量は合わせて年間1億8,400万トンになっている。これまでにゲノム塩基配列解読の行われた植物としては、よく研究された植物モデルであるシロイヌナズナ、ポプラ樹、ブドウ、パパイア、そしてイネとモロコシといった作物があり、キュウリは7番目の植物となる。
深セン華大遺伝子研究院(中国)のJ Wangらは、従来のDNA配列解読法と次世代配列解読技術の両方を用いて、キュウリのゲノムを構築した。植物のゲノムを初めて構築するために次世代配列解読データが用いられたのは今回が初めてである。キュウリのゲノムは、2億4,500万塩基対の長さで、3億8,900万塩基対のイネゲノムに似ている。解読されたゲノムは、ウリ科のエリート種を開発する育種家にとっての情報源となり、植物の発生のさまざまな局面を研究するためにも役立つことだろう。
doi: 10.1038/ng.475
注目の論文
-
4月18日
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
4月18日
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine
-
4月11日
生態学:森林管理の認証制度が哺乳類の大型種と絶滅危惧種の保護に役立っているNature