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遺伝学:人間の性格に関連する遺伝的変異

Nature

2026年9月3日

Genetics: Genetic variants associated with human personality

Nature

100万人を超える参加者を対象としたメタ分析において、人間の性格に関連する1000を超える遺伝的変異が特定されたことを報告する論文が、今週のNature にオープンアクセスで掲載される。この研究では、DNAの変異と性格の違いとの関連を調べた。具体的には、「外向性」、「協調性」、「勤勉性」、「神経質性」、および「経験への開放性」という5つの性格特性を対象としている。その結果は、性格がDNAによって直接予測できることを示唆するものではない。むしろ、一部の変異が行動特性に影響し得ることを示しているが、性格の形成には、環境などのほかの要因がより大きな影響を及ぼしているとも考えられる。

人間の性格特性は、「ビッグファイブ(Big Five)」として知られる5つのカテゴリーに分類できる。すなわち、外向性(社交性、自己主張、エネルギーレベルなどの特性を含む)、協調性(思いやり、敬意、信頼)、勤勉性(組織力、生産性、責任感)、神経質性(不安、抑うつ、情緒の起伏)、および経験への開放性(想像力、好奇心、美的感受性)である。過去100年間にわたるさまざまな研究により、遺伝的要因と環境的要因が性格の違いに寄与していることが実証されてきた。しかし、性格特性に関連する遺伝的特徴を特定することは難しい。複数の遺伝子が関与していると考えられ、有意な関連性を見いだすには非常に多くの参加者が必要となるためである。

Ted Schwabaら(ミシガン州立大学〔米国〕)は、46のコホートのゲノムワイド関連解析(GWAS:Genome-Wide Association Study)結果を用いたメタ解析の知見を報告している。参加者数は、調査対象の特性によって異なるものの、合計で最大114万人にのぼる。著者らの分析により、1260の性格に関連する遺伝的変異が明らかになり、その中には、これまで性格との関連が報告されていなかった824の新規変異が含まれている。これらの関連は複雑で、各特性には複数の変異の組み合わせが関わっていた。一方で、こうした関連は、年齢や地理的地域などで分類したさまざまな集団でも認められた。各特性のばらつきの一部(推定7.4~10.6%)は、人によって異なる測定可能な遺伝的変異と関連していた。しかし、環境などのほかの要因も、人間の性格特性に強く影響していると考えられる。

著者らは、これらの知見が、性格に影響を与える要因を調べる今後の研究に役立つと考えられると結論づけている。

Schwaba, T., Clapp Sullivan, M.L., Akingbuwa, W.A. et al. Robust inference and correlates from genetic associations with personality. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-10992-9

 

doi: 10.1038/s41586-026-10992-9

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