【遺伝学】米国のラティーノの認知症リスク評価が正確でなかった可能性
Scientific Reports
2018年12月13日
Genetics: Dementia risk may be misestimated in US Latinos
これまで十分な研究が行われてこなかったラティーノ(ラテンアメリカ系米国人と滞米ラテンアメリカ系移民の総称)の大規模サンプルにおけるアポリポタンパク質E遺伝子(apoE)のバリアントの分布を説明した論文が、今週Scientific Reports に掲載される。この知見は、ラティーノにおける疾患リスク評価にとって重要な意味を持つかもしれない。
apoE遺伝子の各種バリアントは、さまざまな疾患(認知機能低下、アルツハイマー病やそれに関連した認知症など)のリスクにそれぞれ異なる影響を及ぼしている可能性がある。このバリアントは健康と疾患に幅広く影響している可能性があるため、ラティーノのように祖先に多様性が認められる集団においてapoE遺伝子の各種バリアントの分布の特徴を調べることは重要だが、先行研究では一貫した結果が得られていない。
今回、Hector Gonzalezたちの研究グループは、米国内の4つの都市圏に居住する1万887人のラティーノから得た遺伝情報を検討した。その結果、認知機能低下とアルツハイマー病関連認知症のリスク因子であるapoE4遺伝子のバリアントの頻度が、祖先の違いに応じて異なることが明らかになった。apoE4遺伝子のバリアントの頻度は、ドミニカ人を祖先とする集団(17.5%)が最も高く、プエルトリコ人(13.3%)、キューバ人(12.6%)が続き、中米人、南米人、メキシコ人を祖先とする集団(それぞれ11%)が最も低かった。また、レジリアンス(回復力)因子と推定されているapoE2遺伝子のバリアントの頻度は、ドミニカ人(8.6%)が最も高く、キューバ人(6.5%)、南米人(3.6%)と続き、メキシコ人(2.9%)が最も低かった。
今回の知見は、米国人の中で最も急速に人口が増加しているラティーノにおけるアルツハイマー病とapoE遺伝子バリアントとの関連の性質を明らかにするためには、さまざまな祖先を持つ米国のラティーノの大規模な研究を行う必要のあることを強調している。
doi: 10.1038/s41598-018-35573-3
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