注目の論文
喘息の先天的な手がかり
Nature Immunology
2011年5月30日
An innate clue to asthma
肺に見られる新型の免疫応答細胞が、ウイルスによって引き起こされる喘息に重要な役割を果たしていることが明らかになった。肺でこの細胞が見つかり、その作用、機能にかかわる分子が同定されたことで、ウイルス感染による喘息の悪化を抑制する新たな標的が明らかになるだろう。
喘息は軌道の慢性疾患で、インフルエンザ感染が引き金になることが多い。これまで、喘息の原因は免疫系のT細胞、B細胞による「獲得」免疫応答の不適切な亢進であると考えられてきた。獲得免疫応答には、外来因子を認識する特有の抗原受容体がかかわり、認識の記憶が保持される。これに対して「自然」免疫応答は、免疫系のさまざまな非特異的細胞によるもので、喘息とは関係がないとされてきた。
D Umetsuたちは、肺に存在して自然免疫応答を担い、インフルエンザ感染によって誘発される喘息に重要な役割を果たす細胞を同定した。この「ナチュラルヘルパー細胞」とよばれる細胞は、インフルエンザ感染後に肺の細胞が放出する引き金分子に反応して、T細胞やB細胞とはまったく無関係に喘息の症状を引き起こす。
doi: 10.1038/ni.2045
注目の論文
-
4月17日
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
4月16日
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine
-
4月11日
生態学:森林管理の認証制度が哺乳類の大型種と絶滅危惧種の保護に役立っているNature
-
4月11日
医学:インフルエンザ感染に伴う肺損傷の予防薬候補がマウスの試験で好結果Nature
-
4月10日
心理学:世界的に見ると文化的価値観は多様化しているようだNature Communications