注目の論文
【遺伝学】ワモンゴキブリのゲノム
Nature Communications
2018年3月21日
Genetics: The genome of the American cockroach
ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)のゲノム解析の結果を報告する論文が、今週掲載される。今回の研究で、ワモンゴキブリが都市環境への適応に成功したことの遺伝的基盤に関して新たな知見が得られた。
ワモンゴキブリは、雑食性のスカベンジャー(清掃生物)で、ヒトの周囲で生息する昆虫種の中で体長が最も大きいものの1つだ。その特徴である急速な成長、高い繁殖力、および組織再生能力が、都市環境での生存能力に寄与してきた。
今回、Shuai Zhanたちの研究グループは、ワモンゴキブリのゲノムの塩基配列の解読と解析を行い、これまでに解読の行われた昆虫のゲノムの中で、バッタに次いで2番目に大型のゲノムであることを明らかにした。今回の研究では、化学受容(生物が環境中の化学的刺激に応答する過程)と解毒作用(化学的および生物学的作用に耐えるために用いる)に関連する遺伝子ファミリーが拡大していたことも明らかになった。また、Zhanたちは、発生と再生に関係するシグナル伝達経路を同定し、ゴキブリの生物学的性質を調べるためのモデルシステムとしてワモンゴキブリを利用できる可能性を示した。
Zhanたちは、今回の研究で得られた新知見によってゴキブリの駆除法の解明が進むかもしれないと結論付けている。
doi: 10.1038/s41467-018-03281-1
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