注目の論文
【保全】武力衝突の犠牲になる野生生物
Nature
2018年1月11日
Conservation: Wildlife as a casualty of war
野生生物に対する武力衝突の影響が定量化され、その結果を報告する論文が、今週掲載される。今回の研究は、保全の政策と実践の両面に重要な意味を持つことが明白であり、紛争地帯で保全活動を維持し、停戦後に素早く介入することが、危機に瀕した野生生物集団と野生生物種の保護に役立つ可能性のあることが示唆されている。
野生生物集団に対する武力衝突の影響については議論がある。今回、Joshua DaskinとRobert Pringleは、アフリカ全土の保護区に生息する大型草食動物(253集団)に対する武力衝突の影響を調べた。今回の研究では、1946~2010年に収集されたデータが用いられ、ゾウ、カバ、レッサークーズーやその他の象徴的な絶滅危惧種に関するデータも含まれている。この期間中、アフリカの公園の70%以上が武力衝突の影響を受けており、野生生物の個体数動向を予測する上で、武力衝突の発生頻度が最も重要な因子であった。武力衝突の発生頻度が高まると、個体群成長率は鈍化した。
紛争地帯の生態学的データは非常に少なく、野生生物に対する武力衝突の影響に関する研究を確実に行うことは難しい。今回の研究は、この影響を大陸規模で数十年間にわたって定量的に分析した初めての研究となった。この期間中にも個体群崩壊は起こったが、発生頻度は低かった。このことは、武力衝突で荒廃した地域に生息する動物集団の回復が頻繁に起こりうることを示している。
doi: 10.1038/nature25194
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