注目の論文

ウイルスを見つける方法

Nature Immunology

2011年6月6日

How to spot a virus

多くの型の細胞で発現されている細胞内受容体の1つが、ウイルス感染の認識と制御に重要な役割を果たしているらしい。

G Superti-Furgaたちは、ウイルスに感染した細胞では、IFIT1とよばれるタンパク質の発現量が大幅に上昇し、これがウイルスRNAの5’末端に結合することを発見した。IFIT1は末端構造が異なる宿主RNAとウイルスRNAとを明確に識別する能力をもち、いったんウイルスRNAに結合すると、他の多数の細胞タンパク質と大型の複合体を形成してウイルスの複製を阻害することがわかった。そのため、IFIT1タンパク質をもたないマウスは、ある種のウイルスによる感染を非常に受けやすくなる。

Superti-Furgaたちはこれらの知見から、IFIT1が細胞のウイルス認識機構、ウイルス中和機構の主要成分の1つであると結論付けている。

doi: 10.1038/ni.2048

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度