注目の論文
ヒクイドリのような「とさか」を持つ恐竜
Scientific Reports
2017年7月28日
A cassowary-like dinosaur
ヒクイドリは、オーストラリアのクイーンズランド州で見つかっている飛べない鳥で、その頭頂には、かぶと状の突起がある。このほど掲載される論文では、頭骨に「とさか」のような突起があり、ヒクイドリに似た恐竜種が新たに発見されたことが報告されており、この恐竜種とヒクイドリのとさかの形態的類似性に基づいて、このかぶと状の突起の機能的役割に関する手掛かりがヒクイドリから得られる可能性があるという見解が示されている。
この論文で、Junchang Luたちの研究グループは、中国の江西省の白亜紀後期層(約1億年~6600万年前)で発見されたオビラプトル科(鳥類様)恐竜の新種Corythoraptor jacobsiの化石について説明している。この新種の恐竜は、ヒクイドリのような独特なとさかを持ち、首が長く、ヒクイドリの現生種と形態的に類似している。Luたちは、この化石標本が少なくとも8歳であり、十分に成長していない若年成体だったという見方を示している。
Luたちは、Corythoraptorの頭頂にあるかぶと状の突起について、その内部構造がヒクイドリの現生種といろいろな類似点があることに基づいて、その目的も類似している可能性があると考えており、とさかは複数の機能を持つ構造で、誇示行動とコミュニケーションに用いられ、交尾期には適応度の表現方法でもあった可能性があると主張している。
doi: 10.1038/s41598-017-05016-6
注目の論文
-
7月24日
テクノロジー:ブレスレットが手ぶりをコンピューターのコマンドに変換するNature
-
7月24日
古生物学:「トサカ」を持つ爬虫類が羽毛の進化理論を揺るがすNature
-
7月23日
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
7月22日
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
7月18日
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports