注目の論文
むずむず待ち遠しい解決策
Nature Neuroscience
2011年4月4日
Itching for answers
ある種類の掻痒(かゆみ)の決め手となるイオンチャネルが同定されたと、Nature Neuroscience(電子版)に発表される。
かゆみは痛みと同様に、正常な状態では防御機能として働くが、慢性の病的なかゆみは、非常に多くの皮膚疾患や全身疾患に伴って起こる衰弱した状態である。病的なかゆみは多くの場合、抗ヒスタミン治療に抵抗性を示す。
D Bautistaらはマウスを用いて、数々の薬理学的、遺伝学的方法を利用しヒスタミン非依存性掻痒の経路を探索した。彼らはヒスタミン非依存性掻痒を誘発する2種類の化合物が、TRPA1とよばれるイオンチャネルを介して神経の興奮性を制御することを報告している。これらの物質には、有害な副作用として掻痒を起こすことがある抗マラリア薬、クロロキノンが含まれる。TRPA1欠損マウスの感覚神経は実質的にクロロキンに対する応答が低下しており、まったくといってよいほど体をかかなくなることがわかった。
マウスにおけるこれらの発見は、ヒトの病的なヒスタミン非依存性掻痒にも洞察を与える可能性がある。
doi: 10.1038/nn.2789
注目の論文
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry
-
6月19日
人類の進化:アフリカからの移動に先立つ、人間の生息域の大幅な拡大Nature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月17日
都市:人工光が都市部の生育期を延長させているNature Cities