注目の論文
バスケットボールのスーパースターは動作予測にすぐれている
Nature Neuroscience
2008年8月11日
Better action anticipation in elite basketball players
バスケットボールのエリート選手は他のバスケットボール関連の専門家や初心者に比べ、シュートがバスケットに入るか入らないかを予測する能力にすぐれている。この違いは動作の準備に現れていることが、Nature Neuroscience(電子版)の研究でわかった。
S Agliotiらは、プロのバスケットボール選手とバスケットボールのコーチ、試合観戦の経験はそれに匹敵するほどあっても試合経験は初心者並みに少ないスポーツジャーナリストを、経頭蓋磁気刺激(TMS)という方法を利用して比較した。
被験者には選手がバスケットにボールを投げるビデオ映像を見せるが、ボールがバスケットに届く前に映像を中断した。バスケットボール選手はボールがバスケットに入ったかどうかを他の被験者よりうまく予測した。この違いが決定的に現れたのは、ボールが選手の手を離れたように見える瞬間のあたりであり、ボールの軌道を追うよりも、選手の体の姿勢から判断していることが示唆される。
TMSにより一次運動野に誘発された筋肉の単収縮を記録するのは、神経の興奮性と動作の運動準備を測定する方法である。Agliotiらはこの尺度を利用し、結果的にはバスケットに入らないシュートの写真を選手が見ているときには、手と前腕にTMS誘発性の筋肉活動が強いことも見いだした。
この結果は、スポーツの卓越した能力が、他者の行動結果の予測に役立つ脳の特異的予測機構を微調整する能力と関連している可能性を示唆している。
doi: 10.1038/nn.2182
注目の論文
-
10月16日
古生物学:アルゼンチンの恐竜たちはどのようにして首を長く伸ばしたのかNature
-
10月16日
古生物学:初期のホミニンの手を解明するNature
-
10月10日
動物の行動:犬はおもちゃにすっかり夢中Scientific Reports
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月3日
動物の行動:ネグレクトされた子犬は成犬になるとより攻撃的で恐怖心が強くなるScientific Reports
-
10月2日
遺伝学:自閉スペクトラム症の遺伝的に異なる形態Nature