注目の論文
【進化】歯の大きさから分かるヒト族の進化上の位置づけ
Nature
2016年2月25日
Evolution: Tooth size may put hominins in their place
ヒト族の歯の大きさの進化を説明できる単純なルールについて報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回の研究により、単離した1本の歯を使って、歯列の大きさを予測できるようになった。
ヒト族の歯は、進化の過程を通じて小さくなった。この現象の原因は、食餌や料理の習慣だとされてきたが、歯の大きさのばらつきの基盤となる機構についての解明は進んでいない。
今回、Alistair Evansたちは、現生人類の歯とヒト族の化石の歯の大きさを分析して、マウスの臼歯の相対的な大きさを制御する発生機構(抑制性カスケードモデル)がヒト族と大型類人猿に適用できるのかどうかを調べた。その結果、犬歯の奥の第一生歯(小臼歯と永久大臼歯を含む)の絶対サイズと相対サイズとの強い関連性が明らかになった。この歯の大きさのパターンは、アウストラロピテクス属の歯の絶対サイズと一致しているが、スケーリング関係は、ヒト(Homo)属の種間で異なっており、第一大臼歯の大きさに基づいている。この新知見は、ヒトの進化をめぐるかなりの数の論争を決着させる上で役立つ可能性がある。
doi: 10.1038/nature16972
注目の論文
-
7月16日
神経科学:老化と神経変性疾患のバイオマーカーを解明するNature Medicine
-
7月15日
健康:健康な高齢化における世界的な格差の要因の評価Nature Medicine
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月8日
がん:1,100万人を超えると予測される胃がんの原因は細菌かもしれないNature Medicine
-
7月3日
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature