注目の論文
CRISPRがマウスのがん細胞に自身の増殖を抑制させる
Nature Methods
2016年9月6日
CRISPR forces mouse cancer cells to suppress their own growth
CRISPR-Cas9ゲノム編集法を用いることにより、マウスの腫瘍増殖を促進する細胞シグナルをプログラムし直して、腫瘍を縮小させるシグナルに変えることができるとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。
動植物の細胞を含む真核細胞の生死は、受け取ったシグナルによる遺伝子発現の調節に左右される。今回の研究で、Weiren Huang(黄衛人)、Zhiming Cai(蔡志明)たちは、CRISPR-Cas9系を利用してこのシグナル伝達経路を操作し、狙った部位で遺伝子発現を調節した。
研究チームは、CRISPR-Cas9系を構成するRNAを改変し、通常は腫瘍の増殖を促進しているシグナルによって活性化されるようにした。すると、活性化したCRISPR-Cas9系は転写活性化因子を2つの腫瘍サプレッサー遺伝子に届け、がん細胞の増殖を停止させた。第二の例では、細胞死を引き起こす遺伝子の発現を誘導することにより、細胞が腫瘍形成性の刺激に応答するようにプログラムし直された。この再プロクラム細胞を保持するマウスの腫瘍は、対照マウスの腫瘍と比較してはるかに小さくなることが示された。
doi: 10.1038/nmeth.3994
注目の論文
-
10月16日
古生物学:アルゼンチンの恐竜たちはどのようにして首を長く伸ばしたのかNature
-
10月16日
古生物学:初期のホミニンの手を解明するNature
-
10月10日
動物の行動:犬はおもちゃにすっかり夢中Scientific Reports
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月3日
動物の行動:ネグレクトされた子犬は成犬になるとより攻撃的で恐怖心が強くなるScientific Reports
-
10月2日
遺伝学:自閉スペクトラム症の遺伝的に異なる形態Nature