注目の論文
ストレスのないときの攻撃回避
Nature Immunology
2008年8月2日
Avoiding attack when not stressed
健康な細胞は一群のマイクロRNAを発現して、その助けで免疫系からの望ましくない認識、攻撃を避けているという。この過程についての報告が寄せられ、腫瘍が発見されにくいのにも、これと同じ仕組みがかかわっている可能性が示唆されている。
MICAとMICBはウイルス感染などのストレスがある場合に発現が増えるタンパク質で、免疫細胞上に発現されているNKG2D受容体によって認識される。ストレスによって誘導されるこれらのタンパク質を免疫細胞が感知すると、これが引き金となって免疫応答が起こり、ストレスの原因を取り除く。ウイルスが、MICAやMICBの発現を抑制するマイクロRNAとよばれる短鎖RNAを利用すると、この免疫応答を逃れることができる。
O Mandelboimたちは、ストレスに曝されていない健康なヒト細胞でもウイルスの場合と同様に、MICAやMICBの発現を妨げるような構造をもつマイクロRNAが発現されることを明らかにした。そのおかげで、健康な細胞は免疫系の監視を逃れることができている。ヒトの多くのがんは、このマイクロRNAを健康な組織に比べてはるかに大量に発現している。がんが免疫系による認識を免れるのにも、このマイクロRNAの発現が一役買っている可能性がある。
doi: 10.1038/ni.1642
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