注目の論文
鎌状赤血球貧血におけるアデノシンの役割
Nature Medicine
2010年12月20日
A role for adenosine in sickle-cell anemia
過剰なアデノシン情報伝達が鎌状赤血球貧血の病理にかかわっていることがわかり、新たな治療に結びつく可能性がある。
鎌状赤血球貧血では、赤血球が異常な形をとるようになる。酸素の欠乏が、この“鎌状化”を引き起こす最初の引き金になる可能性があり、鎌状化が最終的には臓器の損傷につながる。
Y Xiaたちは、鎌状赤血球症のマウスとヒトでは血液中のアデノシン濃度が上昇して、赤血球の鎌状化と破壊を促進することを発見した。この作用は特殊なアデノシン受容体の活性化に依存しており、その結果、ヘモグロビンの酸素親和性を低下させる2,3-ジホスホグリセリン酸という赤血球特異的代謝産物がつくられる。このアデノシン受容体を標的とする薬剤ができれば、鎌状赤血球貧血患者に有効かもしれない。
doi: 10.1038/nm.2280
注目の論文
-
3月28日
加齢:老齢マウスに「若々しい」免疫系を取り戻させるNature
-
3月28日
生態学:温暖化と乾燥によってハチ類の多様性が脅かされているNature
-
3月27日
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications
-
3月27日
生物学:妊娠中の母マウスの食餌が仔の顔の特徴に影響するかもしれないNature Communications
-
3月26日
神経科学:消毒剤などに含まれる化学物質が脳の支持細胞に害を及ぼすNature Neuroscience
-
3月26日
ウイルス学:体がある種のウイルスの感染を防ぐ仕組みNature Microbiology