注目の論文
視覚認知の「大きさ」
Nature Neuroscience
2010年12月6日
Sizing up visual perception
脳の一次視覚野の大きさは、よく知られた2種類の錯視を人が見るときの仕組みと相関することが、Nature Neuroscience(電子版)の論文で報告されている。この脳領域は視覚認知に重要なことが知られているが、今回の研究では、その大きさもまた意識的視覚体験を調節することが示唆されている。
S Schwarzkopfらは、機能的磁気共鳴画像法により、被験者の一次視覚野(V1)を含む一連の視覚野を区分けした。次に被験者のV1表面積を算定し、単 純な幾何学図形だが実際とは面積が異なって見える2種類のよく知られた錯視を見せた。
その結果、被験者の一次視覚野が大きいほど錯覚の度合いが小さいことがわかった。この相関は一次視覚野に特異的で、調べた他の視覚野にはなかった。この結果、意識的視覚体験の変動は一部にはV1のサイズの変動による可能性が示唆される。
doi: 10.1038/nn.2706
注目の論文
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
8月7日
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature
-
8月7日
生態学:タコの観察がソフトロボットの設計に新たな着想を与えるかもしれないNature