注目の論文
【天文学】チェリャビンスク小惑星の衝撃の過去
Scientific Reports
2014年5月22日
Astronomy: The shocking past of the Chelyabinsk asteroid
2013年2月にロシアのチェリャビンスク上空で爆発した小惑星が、地球と衝突する前に別の小惑星を激しく衝突していたことが判明した。その詳細を報告する研究論文が、今週掲載される。
今回、小澤信(おざわ・しん)たちは、チェリャビンスク小惑星の断片を解析し、この隕石の衝撃溶融脈のガラス質の中に高圧鉱物のジェイダイト(硬玉)が含まれていることを報告している。こうした隕石に衝撃が加わると、高圧・高温条件下に置かれる部分が生じるが、それが衝撃溶融脈なのだ。この鉱物の組成と衝撃溶融脈の固化時間を算定した結果からは、チェリャビンスク隕石の母天体が、直径150メートル以上の小惑星と少なくとも秒速0.4~1.5キロメートルで衝突していたことが示唆されている。この衝突は、2億9000万年前頃かそれよりも後に起こったと推定されている。チェリャビンスク近くで起こった小惑星の衝突は、地球で記録された2番目に大きな空中爆発となった。チェリャビンスク隕石の母天体の衝突履歴を解明することは、地球近傍天体(地球に衝突する可能性のある小惑星と彗星)の形成と進化の過程に関する知識を明確化する上で役立つと考えられる。
doi: 10.1038/srep05033
注目の論文
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月7日
考古学:デジタル地図によりローマ帝国の道路網が10万キロメートル増えるScientific Data
-
11月5日
気候:極端な強風がタービンの限界を超えて動かす可能性があるNature Communications
-
11月4日
地球科学:南極氷河の急速な後退Nature Geoscience
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
