注目の論文
さらなる海水準上昇にグリーンランドが関係する可能性
Nature Climate Change
2014年3月17日
Greenland implicated further in sea-level rise
グリーンランド氷床のこれまで安定していた領域で、地域的な温暖化を原因とする動的薄化(融解水の流出による質量減少)が起こっていることが明らかになった。この新知見は、海水準上昇に対するグリーンランドの寄与が、これまで過小評価されており、今後の将来予測で考慮に入れる必要のあることを示唆している。この研究結果を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
グリーンランド氷床、とりわけ南東部と北西部の氷河は、過去20年間の世界的な海水準上昇の重要な要因の1つとされていた。これに対して、北東部の氷流は、グリーンランド氷床全体の16%に相当する氷を流出させているが、海水準上昇には寄与しないと考えられていた。
今回、Shfaqat Khanたちは、1978~2012年のグリーンランド氷床全体の表面高度の測定結果を用いて、グリーンランドの沿岸付近の氷の厚さの推移を推定した。今回の研究では、北東部の氷流が、2003年頃まで安定しており、その頃、気温の上昇によって動的薄化が始まったことが明らかになった。また、氷河と海洋が接する流出口では、2002~2004年の温暖な夏に海氷が減少したために、氷山が崩壊し、海への氷流が加速し、2006年以降、グリーンランド北東部の氷流域から毎年10ギガトンの氷質量が失われていることも明らかになった。この傾向は、氷河の速度と氷量の減少が着実に増加するため、近い将来にわたって継続すると予測されている。
doi: 10.1038/nclimate2161
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