注目の論文
極端なエルニーニョ現象の頻度が高まる恐れ
Nature Climate Change
2014年1月20日
El Nino extremes
このほど極端なエルニーニョ現象の頻度に対する気候変動の影響を調べる研究が行われ、その結果を報告する論文が、今週オンライン版に掲載される。
エルニーニョは、非人為的な気候変化の特徴の1つであり、その影響は全世界に及ぶ。極端なエルニーニョ現象が起こると、気象パターンが全球的に崩壊し、降水量の変化を通じて生態系と農業が影響を受ける。
今回、Wenju Caiたちは、気候モデルを用いて、東部赤道太平洋での海面温暖化の進行によって、極端なエルニーニョ期の頻度が倍増することを明らかにした。東部赤道太平洋は、周辺水域より温暖化のペースが速く、海面水温勾配が小さくなっており、その結果、極端なエルニーニョ期の発生に必要とされる大気の対流層の移動が起こる。これまでの研究では、エルニーニョの変化に関して一貫した結論が得られていなかったが、今回は、それとは対照的な結果となった。Caiたちは、エルニーニョ期の頻度が高まることで、今後、壊滅的な気象事象の頻度も高まると考えている。
doi: 10.1038/nclimate2100
注目の論文
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment
-
9月25日
生態学:米国河川における魚類の生物多様性の変化Nature
-
9月25日
地質学:サントリーニ島で最近発生した地震は共通のマグマによって説明できるかもしれないNature
-
9月24日
古生物学:新種の肉食恐竜が白亜紀後期のアルゼンチンを支配していたNature Communications
-
9月24日
気候変動:2100年までに世界的に深刻な水不足が発生するかもしれないNature Communications