注目の論文
海洋の鉄
Nature Geoscience
2009年4月27日
Ocean iron
Nature Geoscience(電子版)に発表される研究によれば、鉄を含んだ粒子の鉱物構成が海水への鉄の溶解度を決定しているとのことである。鉄は世界中の海洋の多くの地域で生物学的生産を刺激することができるが、それは鉄が容易に溶解できる形態で存在する場合に限られる。
A Schrothらは、乾燥した土壌、氷河の風化生成物、および石油の燃焼生成物から生じたエアロゾル中の鉄鉱物組成と溶解度を分析した。乾燥した土壌中の鉄で溶解しやすいものは1%以下だが、氷河生成物中の鉄は2~3%、および石油の燃焼生成物中の鉄は77%以上が溶解した。鉄の溶解度は鉄の化学的形態と直接関連性があることがわかった。
著者らは、砂漠と氷河の分布や化石燃料の燃焼の変化はエアロゾルの鉄溶解度に顕著な影響を及ぼして、それにより生物生産性と海洋炭素循環に影響を及ぼすと示唆している。
doi: 10.1038/ngeo501
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