注目の論文
グリーンランドの氷河の流出加速は一時的なものか?
Nature Geoscience
2009年1月12日
Is the acceleration of Greenland’s glaciers short-lived?
グリーンランドの溢流氷河で最近観測された急激な後退は、気候変化に対する一時的な応答であった可能性があるとする考え方がNature Geoscience(電子版)に発表される研究で示されている。したがって、最近のグリーンランドでの氷量減少速度の上昇をもとにした将来予測をすべきではないということになる。
今回、F NickとA Vieliらの研究チームは、グリーンランドのヘルヘイム氷河の後退や薄化、加速を再現する氷河流動の数値モデルを示している。その研究成果からは、グリーンランドの溢流氷河が、海側の先端での変化に非常に敏感で、極めて急速に順応することが示唆されている。
グリーンランドのいくつかの氷河が気候変化に対して示した同期的な挙動は、このメカニズムによって説明できるかもしれない。また、このメカニズムは、グリーンランドの氷河での氷量減少という観測結果が、より長期的な氷床の質量収支にとっての信頼できる尺度ではないことを暗示している。
doi: 10.1038/ngeo394
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