注目の論文
ヨーロッパの霧は晴れる傾向に
Nature Geoscience
2009年1月19日
Fog lifts over Europe
過去30年間にヨーロッパでの霧、もや、煙霧が減ってきていることを明らかにした研究がNature Geoscience(電子版)に発表される。こうした大気の清浄化は、ヨーロッパでの急速な地域的温暖化に寄与した可能性がある。
R Vautardらは、ヨーロッパ全域の342カ所の測候所から集められた水平視程のデータを解析し、過去30年間で、視程障害事象の発生頻度が減少したことを見いだした。霧、もや、煙霧が発生すると、地表に到達する日射量が減少するため、大気の清浄化が気温上昇の原因になっているとも考えられる。Vautardらは、統計解析を用い、視程障害現象が減ったことが、ヨーロッパの温暖化傾向に約10~20%寄与した可能性があると見積もっている。
ヨーロッパで霧が減る傾向は、2000年以降、鈍化している。Vautardらは、既に達成されている大気環境の改善を前提として、視程障害現象の頻度が今後さらに安定化する可能性が高いとする見方を示している。
doi: 10.1038/ngeo414
注目の論文
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月7日
考古学:デジタル地図によりローマ帝国の道路網が10万キロメートル増えるScientific Data
-
11月5日
気候:極端な強風がタービンの限界を超えて動かす可能性があるNature Communications
-
11月4日
地球科学:南極氷河の急速な後退Nature Geoscience
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
