注目の論文
微生物によるバイオディーゼル燃料の生産
Nature Communications
2011年9月28日
Microbial production of a diesel biofuel
D2ディーゼル燃料の代わりとなるバイオ燃料を微生物によって生産するという目標に一歩近づいたことが明らかになった。この次世代燃料は、石油系燃料に似た特性を有し、既存の設計によるエンジンと流通・貯蔵インフラを利用でき、環境にも利益をもたらす可能性がある。この研究成果の詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
T S Leeたちは、ビサボランを生合成して、D2ディーゼル燃料の代替品として利用できることを発見し、代謝工学によって細菌と酵母を作製し、ビサボランの前駆体であるビサボレンを生合成した。ただ、残念なことに、ビサボラン生合成の最終段階には、従来の水素化が必要で、微生物を用いて実施できない。
商業的に見合う数量での生産にスケールアップするには、さらなる目覚ましい開発が必要とされるが、今回の研究は、新たなテルペン系の次世代燃料を同定し、バイオ燃料生産のための微生物プラットフォームの開発に関する手がかりをもたらした。
doi: 10.1038/ncomms1494
注目の論文
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment
-
9月25日
生態学:米国河川における魚類の生物多様性の変化Nature
-
9月25日
地質学:サントリーニ島で最近発生した地震は共通のマグマによって説明できるかもしれないNature
-
9月24日
古生物学:新種の肉食恐竜が白亜紀後期のアルゼンチンを支配していたNature Communications
-
9月24日
気候変動:2100年までに世界的に深刻な水不足が発生するかもしれないNature Communications