注目の論文
急速な古代の海面上昇
Nature Geoscience
2008年9月1日
Rapid ancient sea level rise
9,000年前から7,600年前に北米ローレンタイド氷床が急速に融解したことで、最大年間1.3 cmの海面上昇が起きたと、Nature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。このような融解をもたらした夏季の大気温度の上昇は、最近グリーンランドで報告されているものと似ており、将来における海面上昇の予測は低すぎる可能性があることを示唆している。
A Carlsonらは、海洋と陸上の記録を用いて、1万年前に始まった完新世のローレンタイド氷床の消滅を再現した。この最速の融解事件のシミュレーションは、氷床を薄くした駆動力は太陽放射の増加と夏季の温度が増加したことであったことを示している。現在の太陽放射はずっと低いが、過去数十年の間にグリーンランドでは同様な温度の増加が記録されている。
関連するNews and Viewsで、M Siddalは次のように書いている。「Carlsonらは、完新世初期に起きたローレンタイド氷床の消滅は彼等が考察した期間では非常に早く起きたことを示している。彼らの仕事は、原理的に将来の融解速度が1世紀に1 mのオーダーになることは疑いの余地がないことを示している」。
doi: 10.1038/ngeo285
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature