注目の論文
アポロ時代の月におけるテクトニック活動
Nature Geoscience
2019年5月14日
Apollo-era tectonic activity on the Moon
アポロ計画の際に記録された浅い月震は、テクトニック活動により起きた可能性があることを報告する論文が、今週掲載される。
2010年に、ルナー・リコネサンス・オービターカメラによって月で5000万年前よりも若い断層が発見されたことは、月におけるテクトニック活動の証拠と解釈されている。しかし、この活動がどの程度最近のものかはよく分かっていない。
今回、Thomas Waltersたちの研究グループは、1969~1977年に4カ所のアポロ着陸地点(12、14、15、および16)の地震計で記録された28件の月震を調べた。まばらな地震観測網用のアルゴリズムを用いたことでこれらの月震の震源位置の推定が改善され、7件の浅い月震が、若い断層崖(月面が水平方向に収縮したことで生じた崖のような地形)から60キロメートル以内で起きていたこと、断層すべり事象が最も起きやすい潮汐応力が最大となる期間に起きていたことが明らかになった。Waltersたちは、断層崖近くでの月震は、巨岩の動きとレゴリス層(固体の岩石を覆う柔らかい堆積層)の擾乱と合わせて、月のテクトニック活動が現在活発であることを示唆していると結論付けている。
doi: 10.1038/s41561-019-0362-2
注目の論文
-
8月19日
化学:市販のマグネットが宇宙での酸素生産を促進するかもしれないNature Chemistry
-
8月14日
工学:太陽光が宇宙近傍で超小型航空機の飛行を可能にするNature
-
8月14日
健康科学:都市設計は身体活動に影響を与えるNature
-
8月12日
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
8月8日
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
8月8日
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
