注目の論文
山火事の後には種子発芽が盛んに
Nature Communications
2011年6月22日
Plants rising from the ashes
山火事の煙によって生成される化合物からシアン化物が発生し、それによって火災感受性植物種の種子発芽が活発になることが明らかになった。この研究結果は、火事の後の植物の再生においてシアン化物が果たす生態学的役割が新たに判明したことを示唆している。研究の詳細は、今週、Nature Communicationsで発表される。
山火事が起こった後、いくつかの植物種は、種子発芽を促進する植物成分が燃焼することで発生する煙に含まれる化合物に応答して再生する。煙に含まれる数千種の化合物の中から成長促進効果のある化合物を同定することは大変な難題だったが、今回、G Flemattiらは、山火事の煙の中でグリセロニトリルが産生され、その後、グリセロニトリルからシアン化物が放出されることを明らかにした。Flemattiらは、グリセロニトリルが、シアン化物の生態学的貯蔵庫として機能し、火事の後での種子発芽の促進と景観再生の重要な合図になっている、という見方を示している。
doi: 10.1038/ncomms1356
注目の論文
-
10月21日
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
10月15日
惑星科学:火星における氷と炎の物語Nature Communications
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
10月1日
考古学:岩絵は古代アラビア砂漠で繁栄する人類を描いているNature Communications
-
9月26日
生態学:世界大戦時の沈没残骸が野生生物の生息地となっているCommunications Earth & Environment
