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		【生態学】仔育てをする母グマの個体数が狩猟規制によって増えている
Nature Communications
2018年3月28日
Ecology: Caring bears spread under hunting regulation
スウェーデンに生息する雌のヒグマ(Usus arctos)の多くが、近年、仔の世話にかける時間が1年延びていることを報告する論文が、今週掲載される。この変化には、母グマと彼女たちの育てる仔グマを保護する狩猟規制が関係している。
今回、Joanie Van de Walleたちの研究グループは、20年以上かけて収集されたヒグマの繁殖と生存に関するデータを解析し、ヒグマの個体群で最初の観察が実施された1990年代半ば以降は1.5年だった母グマによる養育期間が、2.5年になっている個体の数が増えたことを明らかにした。また、研究グループは、養育期間が長期化すれば雌の繁殖機会は減るが、狩猟規制と強い狩猟圧が同時に存在するため、母グマと仔グマの生存率が高くなることが繁殖機会の減少という犠牲を上回っていることを示した。
他の動物種では、個体が早期に繁殖を始めて繁殖機会の最大化を図る必要があるため、狩猟と捕獲は、より速い生活環の選択に関連するとされてきた。これに対して、今回の研究で得られた知見は、狩猟規制と特定の管理規定の相互作用によって、ある動物種の生活環の進行が遅くなることを示唆している。
doi: 10.1038/s41467-018-03506-3
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