注目の論文
【地質科学】温泉を好んだ初期生物の痕跡
Nature Communications
2017年5月10日
Geological sciences: Some early life liked it hot
オーストラリアの34億8000万年前の温泉鉱床から発見された生物の証拠を提示した論文が、今週掲載される。この新知見は、生物が存在する地球の陸上温泉の記録を約30億年さかのぼらせるとともに地球上に生物が存在していたことを示す最も古い証拠の1つとなった。
今回、Tara Djokicたちの研究グループは、西オーストラリアのピルバラ地塊にある34億8000万年前の温泉鉱床を調べた。Djokicたちは、この温泉鉱床が陸上のものか海底のものかを確定するために調べたところ、高温のシリカ溶液から生成する鉱床で、陸上温泉でのみ見つかっているガイザライトが同定された。このガイザライトには、ストロマトライト(微生物の活動によって形成した薄層状の累層)とその他の微生物の痕跡が見つかり、この34億8000万年前の温泉に多様な生物が存在していたことが示された。
陸上温泉に多様な生物が存在しうることは理論的に確立しているが、この種の環境に生物が存在していたことを示す証拠は、約4億年前のものしか発見されていなかった。
doi: 10.1038/ncomms15263
注目の論文
-
7月18日
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
7月17日
惑星科学:惑星系の誕生の瞬間をとらえるNature
-
7月17日
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature
-
7月10日
環境:大西洋全域で高濃度のナノプラスチック粒子が検出されるNature
-
7月10日
気候変動:クジラの糞が温暖化に関連する有毒藻類ブルームの大発生を記録するNature
-
7月10日
ゲノミクス:タンパク質は古代のエナメル質に保存されているNature