サハラ以南のアフリカにおける農業の転換
Nature Climate Change
2016年3月8日
Transforming agriculture in sub-Saharan Africa
サハラ以南のアフリカで、気候変動によって重要作物(トウモロコシ、バナナ、マメ類など)が栽培できなくなる可能性の非常に高い地域を示す地図が作成され、今週のオンライン版に掲載される論文で明らかにされる。このモデル研究では、気候変動が起こる中で食料安全保障を維持するためには今世紀中に農業の根本的変革を実現する必要のあることが示唆されている。
今回、Julian Ramirez-Villegasたちは、サハラ以南のアフリカで農業総生産量の半分を占める9種類の重要作物の生育可能性が気候によって変化する時期と地理的パターンを調べた。その結果、全ての主要作物について、今世紀中に何らかの形態の転換的変化(例えば、栽培作物の転換や離農)が必要になると考えられるが、この転換的変化が必要なのが、現在の適地のわずかな部分(約15%)でしかないことが分かった。これに対して、トウモロコシとバナナは、転換的変化の必要な部分が大きくなり(現在の適地の約30%)、マメ類が最も大きくなった(現在の適地の約60%)。
農家が必要な転換的変化を実現するには、3段階の適応が必要になるとRamirez-Villegasたちは考えている。第1段階が、作物の改良と管理の改善に注力する漸進的適応段階で、第2段階が、対策を定め、変化を実現する者を選定する準備段階で、第3段階は、農家が実際に栽培作物を転換し、別の暮らし方を模索し、あるいは移住する段階とされる。
同時掲載されるNews & Views記事で、William Travisは次のように述べている。「この研究結果には、期待の持てる側面と不安をかきたてられる側面の両方がある。一部の作物は、地理的に安定しており、今世紀中ほとんど変動しないため、顕著に温暖化する惑星であっても引き続き地域的な食料生産で役割を担うことができる。しかし、他の作物は、現在の栽培地域のかなりの部分で別の作物に転換されることになり、このことは、先を見越した適応計画を立てて深刻な生産量低減を避ける必要性を示している」。
doi: 10.1038/nclimate2947
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