Primer

双極性障害

Nature Reviews Disease Primers

2018年3月8日

Bipolar disorders

双極性障害
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双極性障害は、世界人口の1%以上が罹患する慢性再発性疾患である。双極性障害は、認知機能障害だけでなく、特に自殺や心血管疾患による死亡率の増加に影響しているとみられ、若者の障害の主な要因になっている。精神障害や非精神障害が併存することが多く、これらの併存障害の存在も死亡率の増加に影響するとみられている。双極性障害は、最も遺伝性の高い精神疾患の1つであるが、その病因の説明には遺伝子-環境相互作用モデルが最もよく用いられる。双極性障害が発症しても、特徴となる所見が非特異的症状、感情の不安定性、うつ病エピソードのような場合が多いため、実診療で早期かつ正確な診断を行うことは困難といえる。さらに、このような症状に、特に軽躁症状または躁症状が加わっても、必ずしも患者とその家族が気づくとは限らない。双極性障害の特異的バイオマーカーはまだ実用化されておらず、注意深く臨床評価を行うことが診断の根幹をなしている。双極性障害と他の障害とを鑑別する上で、軽躁症状の検出と長期の臨床評価は重要である。エビデンスに基づく薬物療法(気分安定薬や抗精神病薬がよく使用される)に加えて心理社会的治療によって患者の早期治療を最適化することが必要である。

PrimeView
このPrimeView では、Vietaらによる双極性障害に関するPrimerの内容にそって、双極性障害(主に躁病、軽躁病、大うつ病)の臨床症状を中心に図説する。
本Primerの図解サマリー

doi: 10.1038/nrdp.2018.8

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