Primer

メルケル細胞がん

Nature Reviews Disease Primers

2017年10月26日

Merkel cell carcinoma

メルケル細胞がん
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メルケル細胞がん(MCC)は悪性度が非常に高い希少皮膚がんで神経内分泌機能を有している。MCCの病因には、メルケル細胞ポリオーマウイルスと複数のDNA突然変異の特徴的なパターンの原因となる慢性的な紫外線(UV)曝露のいずれかが関連している。特に、北半球でのMCCの病因は、ほとんどの症例でウイルスが原因になっているのに対し、UV曝露が高い地域では、UV媒介性の発がんが大部分を占める。2つの病因の、臨床的、組織病理学的および予後的特徴は類似している。MCCは、皮膚または皮下の孤立性結節、とりわけ、日光曝露部位に最も多くに存在する。実際、UV曝露は、おそらく免疫抑制またはDNA損傷に影響することによって、ウイルス媒介性および非ウイルス媒介性発がんの両方に関与している可能性がある。診断確認では、病変部の組織学的特徴や免疫学的マーカーの発現プロファイルの分析が行われる。初回診断時に、患者の約30%に局所転移が認められる。腫瘍の切除は治療の第一選択である。切除不能の場合でも、放射線療法によってがんが効果的に抑制できることが多い。現在は、免疫チェックポイント阻害薬の有効性がいくつかの臨床試験で証明されているが、それまでは化学療法が進行または難治性MCCの唯一の治療選択肢であった。

PrimeView
このPrimeViewでは、BeckerらのMerkel細胞がんのPrimerの内容にそって、この転移性の高い希少皮膚がんの発症機構を中心に取りまとめる。
本Primerの図解サマリー

doi: 10.1038/nrdp.2017.77

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