Research Highlights

リツキシマブによって誘導される1型IFN応答の変化は転帰と相関する

Nature Reviews Rheumatology

2011年5月2日

Rheumatoid arthritis Rituximab-induced changes in type 1 IFN response correlate with outcome

抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブを用いた治療によって、この薬剤を投与された関節リウマチ(RA)の全症例においてB細胞集団の枯渇が起こるが、それでもなお臨床転帰は様々である。新たな研究結果から、1 型インターフェロン(IFN)応答に関与する遺伝子は、リツキシマブ療法に反応して異なって発現するが、治療に良好な反応を示すRA患者のこれら遺伝子の発現は増加していることが示されている。「これらの結果から、この薬剤の治療効果の根底にある生物学的機構に関する知見が得られる可能性がある。」と、Annals of the Rheumatic Diseases 誌に発表された同試験の著者の一人であるCornelis Verweijは指摘している。

末梢血試料の遺伝子発現プロファイリングにより、奏効例(治療開始後6ヵ月の時点で28関節疾患活動性スコア[DAS28]の変化が1.2を超えるもの)に分類された症例で は、リツキシマブ療法開始後3ヵ月の時点で、1型IFN応答遺伝子の発現が増加していることが示された。対照的に無効例(DAS28の変化が1.2未満)では、これらの遺伝子の発現レベルに変化がなかった。B細胞マーカーの発現は、3ヵ月の時点で両群において同様に低下した。

Verweij は「今後の活動において、患者間で異なる応答活性の基盤を解明することを目指す。これを知ることによって、B細胞枯渇薬を用いた治療の効果を予測する方法の開 発が促進され、治療の個別化に役立つのではないかと考えられる。」と結論づけている。

doi: 10.1038/nrrheum.2011.46

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