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強直性脊椎炎の発症機序

Nature Reviews Rheumatology

2010年6月1日

Pathogenesis of ankylosing spondylitis

強直性脊椎炎(AS)は、血清反応陰性脊椎関節炎の中でも障害を引き起こす可能性がある病型である。ASの主な症状は炎症性脊椎痛であり、一部の患者は時間とともに強直と脊椎の不動に至る。病変は主に、靱帯、腱、関節包が骨に付着する部位である腱付着部に発生する。腱付着部では、炎症、骨びらん、靱帯骨棘(骨棘)形成の3つの過程が認められる。腫瘍壊死因子は炎症過程の重要なメディエーターであるが、この炎症性サイトカインは、骨びらんや靱帯骨棘形成には密接に関与していない。ASの主な原因は遺伝性であり、HLA-B27をコードする遺伝子が最も重要な遺伝的因子とされる。その他いくつかの感受性遺伝子も同定されている。ASの発症機序に関しては、 膨大な数の論文が発表され、多様な数多くの仮説が生成されている。本レビューでは、この分野における最新の研究の主要な領域について概説し、集中的に検討されているASの発症機序に関するいくつかの仮説を説明し、締めくくりとして、骨びらんと靱帯骨棘形成に関与する過程を詳細に分析する。

doi: 10.1038/nrrheum.2010.79

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