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腫瘍壊死因子の阻害とウイルス感染のリスク

Nature Reviews Rheumatology

2010年2月9日

Tumor necrosis factor blockade and the risk of viral infection

腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬は、関節リウマチやその他の慢性炎症性疾患の治療に広く用いられている。TNF阻害薬投与患者では、結核や真菌感染などの日和見感染のリスクが高くなることが多くの研究で示されており、これは宿主防御と免疫応答の両方にTNFが中心的な役割を果たすことに関連すると考えられる。しかし、TNF阻害とウイルス感染症発症の関連については、ほとんどわかっていない。TNFはウイルス感染の制御に重要な役割を果たすことから、TNF阻害薬によってこのサイトカインが枯渇すれば、ウイルス感染の発症または再活性化が促進されることも考えられる。いくつかの大規模な観察研究によって、関節リウマチの治療のためにTNF阻害薬を投与されてい る患者では、帯状疱疹のリスクが高いことが判明している。本レビューでは、慢性炎症性疾患に対してTNF阻害療法を受けている患者における、HIV、水痘‐帯状疱疹ウイルス、エプスタイン‐バーウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルスなどのいくつかのウイルスの感染リスクに注目する。さらに、臨床診療への影響と、実行可 能な予防法について論じる。

doi: 10.1038/nrrheum.2009.279

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