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炎症性リウマチ疾患患者における運動の分子的影響

Nature Reviews Rheumatology

2008年10月7日

Adverse effects of low-dose glucocorticoids and DMARD therapy in patients with RA—a complex relationship?

現在、運動は炎症性リウマチ疾患患者に効果があるとされている。関節リウマチ患者では、運動により身体能力、心肺運動能力および筋力が改 善し、疾患活動性および全身性炎症は低減する(赤血球沈降速度や他の全身性炎症マーカーの低下で示される)。多発性筋炎および皮膚筋炎の患者でも、身体能力および心肺運動能力に同様の効果が観察される。同患者の筋能力の改善はI 型線維:II 型線維比やII 型線維の断面積の増加と関連しており、筋炎に冒された筋肉が運動に反応する能力を保持していることがうかがえる。さらに、筋炎患者では、抵抗運動訓練により炎症や線維化に関与する遺伝子の発現が低下し、in vitro での軟骨細胞の機械的負荷により炎症誘発性サイトカインの発現が抑制されることから、運動は局所組織環境における炎症を抑制できることも示された。運動による筋能力改善の根底にある全身・局所反応、軟部組織の完全性および健康に関する転帰についてさらなる研究が必要である。

doi: 10.1038/ncprheum0929

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