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視神経脊髄炎におけるAQP4 抗体:診断および発症機序との関連性

Nature Reviews Neurology

2010年7月1日

AQP4 antibodies in neuromyelitis optica diagnostic and pathogenetic relevance

アクアポリン4 抗体(AQP4-Ab またはNMO-IgG としても知られる)は、自己免疫性視神経脊髄炎(autoimmune neuromyelitis optica:MO)の血清マーカーとして感度を示すとともに特異度が高い。第二世代の組換え診断検査によって、NMO 患者の80%以上でAQP4-Ab を検出することが可能である。一連のin vitro 試験において、AQP4-Ab 陽性血清による血液脳関門の破壊、グルタミン酸ホメオスタシスの障害、壊死性細胞死の誘導が示されたことで、この疾患の病態生理におけるAQP4-Ab の役割が裏づけられた。そのような役割を示すさらなるエビデンスが、AQP4-Ab の血清中濃度と疾患活動性の相関性の証明を含む臨床的観察から得られている。いくつかの別個の動物実験において、AQP4-Ab 陽性血清の受動伝達後にNMO 様のCNS 病変と臨床的疾患が認められたことが、in vivo でのAQP4-Ab の病原的役割を示す決定的証拠となった。これらの知見を総合すれば、B 細胞または抗体を標的とする治療法をNMO の治療に用いる強い論理的根拠となる。本レビューでは、NMO の免疫病理学的機序にAQP4-Ab が直接関与することを裏づける最新のエビデンスを概説し、この血清反応性の検出に現在利用可能な診断検査を批評的に評価する。

doi: 10.1038/nrneurol.2010.72

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