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神経変性疾患におけるTAR DNA 結合蛋白質43

Nature Reviews Neurology

2010年3月16日

TAR DNA-binding protein 43 in neurodegenerative disease

2006 年、高度に保存された核蛋白質であるTAR DNA 結合蛋白質43(TDP‑43)は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および前頭側頭葉変性症(FTLD)の最も頻度の高い変異型であるFTLD‑U の主要な疾患蛋白質として同定された。FTLD‑U は、染色によりユビキチン染色陽性であるが、タウおよびα-シヌクレイン陰性の細胞質内封入体として特徴付けられる。その後、TDP‑43 の生理学的機能と神経変性における役割について、われわれの理解は急速に進歩した。これらの進歩は、ALS およびFTLD‑U(現在はFTLD‑TDP と呼ばれる)を共通の疾患メカニズムに結び付けている。本総説では、TDP‑43 の通常の機能と、FTLD‑TDP やALS およびTDP‑43 病変が他の疾患特異的病変と同時に発生する(例えば、アルツハイマー病でみられるアミロイド斑および神経原線維変化)、FTLD‑TDP、ALS、および他の神経変性疾患にみられるTDP‑43 病変について、最新のエビデンスをまとめる。さらに、FTLD‑TDP とALS は原発性TDP‑43 プロテイノパチーのスペクトルの両端に位置するというわれわれの見解を支持するものとして蓄積されているデータについて考察する。最後に、TDP‑43 病変を呈するALS、FTLD‑TDP、関連疾患に対してよりすぐれた診断と疾患修復治療の開発を可能にする新たな機会を含め、TDP‑43 に関連する研究の最近の進歩 の神経内科診療にとっての重要性について論じる。

doi: 10.1038/nrneurol.2010.18

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