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メタボリックシンドロームの栄養プログラミング

Nature Reviews Endocrinology

2009年9月29日

Nutritional programming of the metabolic syndrome

メタボリックシンドロームの主な指標として中心性肥満、インスリン抵抗性、 高血圧が挙げられている。本稿では、胎児発達の臨界期における母体の栄養状態が、後のメタボリックシンドローム発症リスクに及ぼす影響について考察する。肥満、心血管疾患、およびインスリン抵抗性の胎児期起源については、これまでにさまざまな疫学研究と動物実験で検討されてきた。これらの研究により、栄養操作された胎児では、生存に向けてエネルギー恒常性を維持するための応答が起こることが明らかになっている。このような発達上の可塑性がもたらす結果の1 つに、細胞のエネルギー恒常性の再設定が考えられている。この再設定には、一連の主要な制御経路に関与する種々の遺伝子のエピジェネティッ ク修飾が寄与していると推測される。例えば、妊娠初期から中期における母体・胎児の栄養環境の低下は胎児における脂肪組織の発達に影響を及ぼし、脂肪前駆細胞の増加による脂肪の蓄積を招く。重要なのは、胎児期の栄養変化に対する臨床的に関連した応答は、出生後早期に加速的に成長した場合および/ または児が肥満になった場合に、メタボリックシンドロームの主要コンポーネントとして現れる可能性があることである。

doi: 10.1038/nrendo.2009.195

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