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男性における骨の健康の調節因子としてのエストロゲン

Nature Reviews Endocrinology

2009年6月16日

Estrogens as regulators of bone health in men

男女にかかわらず、骨代謝は成長期と成人期に性ステロイドホルモンの影響を受ける。女性ではこの影響が十分に説明されているが、男性の骨代謝調節におけるアンドロゲンとエストロゲンの相対的な重要性についはいまだ明らかにされていない。エストラジオールは「女性ホルモン」と考えられているが、高齢男性の血清エストラジオール値は閉経後女性の値よりも高い。成人男性では、エストラジオール値がテストステロン値よりもBMD、骨代謝回転、骨量減少と強い関連性を示す。エストロゲン抵抗性またはアロマターゼ欠損症の若年男性の症例報告からも、エストラジオールが男性の骨成長の調節にきわめて重要な役割を果たすことが示唆されている。さらに、高齢男性では血清エストロゲンおよびアンドロゲン値のいずれも骨折リスクと負の相関を示す。集団ベースの大規模な前向き試験では、血清テストステロン値に関係なく血清エストラジオール値によって骨折リスクが予測されることが示された。エストラジオールに関しては、その値を下回ると男性の骨が障害される閾値が存在するというエビデンスが認められている。エストラジオールがこの閾値を下回る男性では骨量低下速度と骨折率が上昇し、骨の成熟が遅延すると考えられる。これらの結果から、アンドロゲンだけでなくエストロゲンも男性における骨の健康の重要な調節因子であることが提唱されよう。

doi: 10.1038/nrendo.2009.112

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