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高齢男性におけるテストステロンと健康障害

Nature Reviews Endocrinology

2009年2月1日

Testosterone and ill-health in aging men

男性では加齢に伴ってテストステロン値が低下し、このテストステロン値低下は骨粗鬆症やメタボリックシンドローム、2 型糖尿病の発症、および 死亡リスクの上昇と関連している。しかし、全身性疾患によりテストステロン値が低下するため、この低下が全身性疾患の原因なのか、それとも疾 患のマーカーにすぎないのかは明らかでない。血中テストステロンのほとんどは性ホルモン結合グロブリン(SHBG)やアルブミンと結合しており、 ごく一部が遊離テストステロンとして存在する。SHBG 値の低下はインスリン抵抗性およびメタボリックシンドロームの発症リスク上昇と関連するが、 SHBG の低下による遊離テストステロン値の上昇が関与している可能性も推測される。男性では、加齢に伴って総テストステロン値と遊離テストステ ロン値は低下するが、SHBG 値は上昇する。したがって、アンドロゲンの欠乏と健康障害との関連性は男性の年齢によって異なる可能性がある。テス トステロン療法に関する研究では体組成とBMD への効果が報告されているが、同療法が心血管リスクに及ぼす影響に関するデータは限られている。 アンドロゲン欠乏症の男性においてはテストステロン療法を検討すべきであるが、明らかな性腺機能低下症を示さない高齢男性におけるテストステ ロン補充の役割についてはさらに明確にする必要がある。男性の加齢に伴う血中テストステロン値低下が改善または予防可能であるのかどうかを確 認するためにも、さらなる研究が要される。

doi: 10.1038/ncpendmet1050

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