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生物学:閉経は生理的な「崖」を示す

Nature Medicine

2026年10月13日

Biology: Menopause marks a physiological ‘cliff’

Nature Medicine

最終月経に先立ち、複数の身体システムで「崖のような(cliff-like)」急激な生物学的変化が生じることを報告する論文が、Nature Medicine にオープンアクセスで掲載される。一部の変化には、10年以上前から初期の兆候が見られた。この知見は、閉経に関連する生理的変化が、従来考えられていたより短期間に生じることを示唆し、こうした変化をどの程度早期に検出できるかについての理解を深めるものである。

閉経とは、月経が恒久的に終了することであり、卵巣の卵胞が枯渇した際に生じる。これにより、いくつかの性ホルモンのレベルに変化が生じる。閉経は、生殖能力にとどまらず、複数の身体システムの変化と関連している。しかし、最終月経の記録はまれであり、長期的な研究のサンプルサイズも比較的小さいため、これらの変化のタイミングを特定することは困難であった。

Uri Alonら(ワイツマン科学研究所〔イスラエル〕)は、1999~2024年に米国とイスラエルの100万人以上の女性から得られた3億件以上の臨床検査データを用い、最終月経前後の生理的変化を再構築する計算手法を開発した。両方のデータセットにおいて、閉経時に複数の身体システムで急激な変化が観察された。米国のデータセットでは、90項目の臨床検査のうち52項目で、統計的に有意な急激な変化が認められた。これには、性ホルモン、骨の健康、肝機能および腎機能、血液生化学、血中脂質に関連する測定値が含まれる。

3つの性ホルモンのレベルも、最終月経の10年以上前から変化していた。抗ミューラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone)とエストラジオール(oestradiol)は、それぞれ約15年前と約12年前に急速に低下し、卵胞刺激ホルモンは約14年前に、より急速に増加し始めた。閉経ホルモン療法は、多くの測定値、特に骨、肝機能、腎機能に関連する項目において、変化の幅が小さくなることに関連していた。

男性では同様の変化が観察されなかったことから、この知見は、閉経が加齢にともなう漸進的な変化ではなく、女性に固有の急激で全身的な生理的移行であることを示唆している。著者らは、この変化を階段状の生理的「崖」と表現している。ただし、本研究では遡及的データと自己申告による閉経情報が用いられており、ホルモン療法の影響については、今後の研究による確認が必要である。

Pridham, G., Hayut, Y., Lavi-Shoseyov, N. et al. Population-scale reconstruction of menopause dynamics reveals a physiological cliff at the final menstrual period. Nat Med (2026). https://doi.org/10.1038/s41591-026-04614-0

 

doi: 10.1038/s41591-026-04614-0

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