注目の論文
生物工学:眼圧を測定して緑内障治療薬を送達するコンタクトレンズ
Nature Communications
2022年5月18日
Biotechnology: Contact lens measures pressure and delivers glaucoma drug
ワイヤレスで眼圧を感知し、必要なときに抗緑内障薬を送達するコンタクトレンズについて報告する論文が、Nature Communications に掲載される。このコンタクトレンズは、柔軟性があり、電池を必要とせず、コンパクトな設計で、有望な緑内障治療システムとなる可能性を秘めている。
緑内障(とその関連疾患)は、回復不能な失明を引き起こすことがあり、その病因は、眼球内の液体の循環異常による眼圧上昇であることが多い。眼圧は、ヒトの活動や概日リズムによって変動するため、緑内障の治療には、眼の状態を長期的かつ継続的に追跡することが必要で、治療の難度が高い。治療と診断を組み合わせたセラノスティックデバイスは、設定された状態にあるかを監視し、適切な治療法を適用することができる。
今回、Xi Xie、Cheng Yangたちは、電気センサーを用いて眼圧を測定し、必要に応じて薬物を投与できるセラノスティック・コンタクトレンズを開発した。このコンタクトレンズは、ブタとウサギの眼で検証され、眼圧の変化を検出できることが確認された。また、眼圧の測定値がハイリスクのレベルに達すると、薬物送達モジュール(ワイヤレス給電で駆動する)が、抗緑内障薬を角膜のバリアを通過して眼の前房へと送達する。
Xieたちは、このコンタクトレンズの製造は大規模で費用効果の高い既存の製造過程で対応できるという考えを示し、ただし、臨床試験の実施までにさらなる研究が必要だと述べている。
doi: 10.1038/s41467-022-29860-x
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