注目の論文
がんの予防効果が期待される紫色のトマト
Nature Biotechnology
2008年10月27日
Purple tomatoes may keep cancer at bay
がんになりやすい変異マウスが、遺伝子操作で抗酸化物質の含有量を高めたトマトを摂取したところ、がんの予防効果が認められた。Nature Biotechnology(電子版)に掲載される論文では、私たちの食事にこのようなトマトを加えることが、健康と福利の増進に役立つ可能性があることが示唆されている。
植物によって産生されるアントシアニンという抗酸化色素は、さまざまなヒトの病気に対する予防効果がある。このほどC Martinらは、キンギョソウの転写因子をトマトに導入して、アントシアニンの生合成を増進させた。できあがったトマトは、濃い紫色をしており、アントシアニンの蓄積量は、これまでに遺伝子操作によって作製されたトマトよりも多かった。
研究チームが、この紫色のトマトの粉末を加えた食餌をがん感受性マウスに与えたところ、マウスの寿命は有意に延びた。また、アントシアニンが豊富に含まれるブラックベリーやブルーベリーのような食物を摂取することは、ヒトの健康に有益なこととされてきている。食事による抗酸化物質の摂取を補う上で、より簡単な方法が、遺伝子組み換えトマトなのかもしれない。
doi: 10.1038/nbt.1506
注目の論文
-
12月10日
考古学:ローマの建築技術に関する明確な証拠Nature Communications
-
12月9日
Nature's 10:2025年の科学に影響を与えた10人Nature
-
11月26日
生化学:アザラシの母乳は複雑さにおいて人間の母乳に匹敵するNature Communications
-
10月24日
化学:シベットコーヒーの秘密は化学にありScientific Reports
-
10月8日
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
10月7日
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
