Nature ハイライト

分子生物学:ADNPは調節複合体を形成して遺伝子発現を抑制する

Nature 557, 7707

ADNP(activity-dependent neuroprotective protein)は胚の発生に不可欠な転写因子だと考えられており、ADNP遺伝子の変異は、神経発達障害であるHelsmoortel–Van der Aa症候群の原因となる。今回M Bühlerたちは、ADNPがクロマチンリモデリング因子CHD4やヘテロクロマチンタンパク質HP1と相互作用して複合体ChAHPを形成し、ヒストンH3リシン9のトリメチル化(H3K9me3)修飾とは独立に遺伝子発現を抑制することを明らかにしている。ChAHPは、神経外胚葉の分化中に内胚葉遺伝子の転写を抑制して、細胞系譜の正しい指定を保証する。Helsmoortel–Van der Aa症候群の患者で見つかった変異は、このChAHP複合体の完全性を破壊する。

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