Nature ハイライト

免疫学:マクロファージのPI 3キナーゼγは免疫抑制を制御する

Nature 539, 7629

マクロファージは特殊化した免疫細胞で、炎症を刺激することも、阻害することもある。今回J Varnerたちは、マクロファージのキナーゼの1つのアイソフォームであるPI 3キナーゼγ(PI3Kγ)の活性化状態が、がんと炎症性疾患での免疫抑制と免疫活性化の間の切り替えを調節できることの証拠を明らかにしている。PI3Kγを阻害すると、腫瘍関連マクロファージの免疫抑制機能が低下してT細胞の細胞傷害性が促進される。PI3Kγの阻害と免疫チェックポイント阻害を併用すれば、相加的もしくは相乗的な腫瘍阻害効果が得られる。この研究は、マクロファージのシグナル伝達経路を阻害の標的とすることが、がん患者の長期生存を改善するための新規な方法となる可能性を示唆している。

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