Nature ハイライト

構造生物学:ホロ非リボソームペプチドシンテターゼ

Nature 529, 7585

抗生物質のバンコマイシンや免疫抑制剤として使われるシクロスポリンAのような非リボソームペプチドは、微生物により産生されるペプチド性二次代謝産物である。非リボソームペプチドシンテターゼ(NRPS)は、複数の触媒ドメインを使って生合成経路での反応段階を逐次触媒していく巨大酵素群のファミリーで、このような「天然物」の生合成に関わっている。今回2つの研究グループにより、NRPSはこれまで考えられていたよりもずっと大きな動的変化を起こすことを示すX線結晶構造が報告された。A Gulickたちは、2つのホロ非リボソームペプチドシンテターゼモジュールについて調べ、触媒サイクルでこれらのモジュールがそれぞれ関わっている別々の段階を明らかにしている。また、M Schmeingたちは、抗生物質グラミシジンの生合成に関わっているLgrAの複数の構造を報告している。

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