Nature ハイライト

材料化学:金属有機構造体における不均一なガス吸着

Nature 527, 7579

多孔性材料は、クリーンエネルギーや触媒反応などの応用分野において、気体の吸着に広く用いられている。今回、寺崎治(スウェーデン・ストックホルム大学ほか)たちは、多孔性の金属有機構造体(MOF)、具体的にはメソ多孔性MOF-74シリーズの5種類に気体(Ar、CO2、N2)が吸着する過程を、X線小角散乱法を用いて可視化している。得られたデータから、構造体中に「過剰吸着ドメイン」が生成され、それらが超格子を形成できるように細孔ネットワーク中で集団的な吸着質–吸着質相互作用が生じた後、吸着質がより均一に分布するようになることが明らかになった。こうした超格子構造は、確率過程として細孔が充填されるという一般的見解と整合させることが難しい。

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