Nature ハイライト

宇宙:太陽系外惑星の誕生

Nature 431, 7009

今週号では岡本美子たちが、他の恒星の周囲に惑星形成を伴う塵の位置と組成を決定したことを報告している。このグループは、19.28パーセク(63光年)の遠方にある高温で青く若い星、がか座ベータ星を研究してきた。この星は塵の円盤を伴っていることから天文学者の間では有名で、地球から見ると塵の円盤は真横に向いている。この塵は、最初の原始惑星円盤の残骸ではなく、微惑星または彗星などもっと大きな天体同士の衝突で生じたものである。そのような母天体の歴史と組成は、高分解能赤外観測によって調べられ、その観測結果から各種物質の化学的性質や空間分布に関する情報が得られる。 今回、サブミクロンの大きさをもつ非晶質ケイ酸塩の微粒子が、塵の円盤の6、16、30天文単位(1天文単位は地球と太陽の間の距離)にある3つの密度ピーク位置で最も多量に存在することが示されている。そのような微粒子は小さいため、母天体の輻射圧によって吹き飛ばされるのが普通である。とすれば、そのピーク位置は、塵の微粒子の供給源となっている場所を示していることになる。つまり、そこで惑星が生まれようとしているのだ。

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