Nature ハイライト

構造生物学:レトロウイルス組み込みの選択性を突き止める

Nature 523, 7560

HIVなどのレトロウイルスはRNAゲノムを持っていて、これが逆転写されて二本鎖DNAとなってから、宿主ゲノムへ挿入される。組み込みにはインタソームが関与している。インタソームはウイルスDNA端に結合したインテグラーゼタンパク質四量体で、これが宿主クロマチンと相互作用する。P Cherepanovたちは今回、ヌクレオソームと結合しているインタソームの構造を解いた。ヌクレオソームはクロマチンの基本構造要素で、ヒストン八量体周囲にDNAが巻きついた構造である。インタソームは、H2A–H2Bヘテロ二量体領域上で八量体からDNAを持ち上げていることが分かった。こうした特性があることで、ウイルスDNAを組み込む部位が指示され、このような接触が消失すると組み込み位置を決める際の選好性が失われる。

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